すみません、
山中隆史です。
←画像をクリックして聴いてください, 3.5′
| ゲストでちょくちょくお目見えの山中隆史さんです。 ぺんてかで見たという人から、「ミネソタ通信」の申し込みも増えているそうです。 これ、発表したら、せっかくのファンがいなくなっちゃいませんか。知らないよ。 喋ってマス→ from higuchi |
サーカスを待つ男 --------------------------------------- ダダッ ぴろいはらっぱが あけっぴろげにある男。 ジャングルジェーンにほれたやつ。 ブン、ガク的なコガラシを ポップなビートで口ずさむ。 感傷癖のまだぬけない 毛皮の夜にくるまって ノリの良くきくシマシマパジャマに 鳥籠、抱いて からっぽな 朝に水とビーズをやる男。 そう。 あの男。 サーカスを待つ男。 異邦にて故郷の映画を見る男。 うぶすなにて異国のシネマを見る男。 カタカタするパラグラフの空に パタンとふたをして 風を喰らって かけてきました。 街のすき間からもれるのは 光ですか？ 闇ですか？ ささやきですか？ 罵声ですか？ そんな日は、ことさら 見ないふりをして、 そんな日は、ことさら 聞こえないふりをして、 花はいりませんかあ 花は、 ちゃんと枯れる 生きる花。 枯れる花。 生きる花。 ちゃんと枯れる生きる花。 うた 詩売りが定時に 石の広場を横切ります。 そんな日は ことさら 枯れた噴水のへりに腰かけ 垂直にきしむ 街の通りを眺めます。 ブランコはいかがあ。ブランコ。 大人がこっそりのるブランコだよ。 どんなに太ったスカンピンも あたいが空まで連れてくよ。 ブランコ、ブランコ 空までイケる ブランコ。 安いよ。 嘘売りが、気まぐれに 広場の中央に陣取って 冬の凍てつくブランコみたいに やせた体で、ギシギシと 声を殺しています。 ナンセンスを 愛と呼んではいけませんか？ ナンセンスを 愛と呼んではいけませんか？ 子供らのつぶやきが、 ぬくみも新しいまま やんわりと 路面をぬらします。 そんな日は 逆に折れるほど 膝をピンと伸ばします。 カクンとたてた靴の先。 じっとじっと見つめます。 どうやら これが 最初の最後で 最初の土地。 たどりついたのやら 気まぐれなのやら なんだか だまされっちぃまったような。 ヤケに 風通しの イイ 気持ち。 苦笑のような照れ笑い。 初めて 一対一で 向きあう 怖れと。 はにかみと。 足の裏に 地球の重みが こそばゆい。 背筋をたてに 空をつなぐ。 サーカスは来ない！ 今！ 始まる。 --------------------------------------- 詩集「サーカスを待つ男」（砂子屋書房）より ちょいとイカス詩集です。在庫あり。申し込みはぺんてかまで。 information：１２月２０日、２１日、こまばアゴラ劇場（0334672743） 岩下徹ソロダンス公演「リーベ１９９９」で写真を撮ってる男です |