★気がつくと占い師になっていた。気がつくと占いブームがきていた。占いブームとお笑いブームどちらが先にすたれるか占ってはみていませんが。占いで暮らしていけるとはおそろしいこと、なのかもしれない。メインは手相見。鑑定数約2万。その他、算命学、易、ルーンなど。
職業占い師なんかうさんくさくていいな、と始めたのも多少あったが、元来まじめに取り組むほうなので、元来まわりに死人や詩人が多いのを不思議に感じていたので、探求、8年がたったいま自分のやっていることがうさんくさいと思わない。うさんくさいと思っていたらお客さんに対して失礼。中途半端だからうさんくさい。東西を問わず古代の人は、ものごとの仕組みを解き明かそうと、生きる道を知ろうと探求していたのだなと感じいる。そういうふうに考えることがすき。元来やくにたたない行為がすき。
占いに疑心を覚えないわけではない。猜疑心というものは何に対しても恒にあるので。けれど、ひとには拠り所が必要だと思う。私のようにカラの固い人にはなおさらに。
本の言葉が、孤独な心と会話をしてくれるように、相や易も語りかけてくれる。今度はどうしていこうかと。考えているのは私自身だ。
じょうずに占いを使うには、ちゃかさないこと、恐れないこと、ゆだねない、耳をすまして自分で答えを見つけること。
べつだん、ふだんの思考生活とかわりはない。
ちゃかし屋のわたしが、そんなことを、最近考えている。
必要のない人には必要のないもの。 詩も。
「詩のように生きたい」と、いつか、年下の女ともだちが言っていた。私も、詩を書いたり読んだり気がつくと長く詩のあたりに漂っているわけだけれど、ほんとうのところ想っているのは、彼女のような形かもしれません。
・・・写真を変えました。昨年の今ごろ横浜の野毛でゴルゴさんに撮ってもらったもの。超過敏自意識過剰だった頃が過去となり顔出し無感覚となっている、そんなお年頃。同じ年代の人たちの生き方は人によって大きく差が出てきています。気にもなるけど気にしても仕方ない。わがままに生きたいと思います。誰に不平も恨みももたないように。
とっくに校正まで終わった新詩集いまだ出せていません。新といっても、「愛したいよ」までおさめた懐かしいシロモノ。やっと愛とか多少認識できるようになってきた、そんなお年頃。でも、まだすこしだけだ。みんなのことがきらいですきです。2005.11.2
★気がつくと占い師になっていた。人の人生に介入する
こわい仕事だと思う。
ふるえる。
1000円、2000円相当のアドバイスと割り切ってあたりさわりなく済ますときもあるが、深刻な事態は断定的な答えを必要とすることもある。断定する。断定していいとよっぽど判断がついた時にしか断定しないが、ふるえる。
けれど… と、私は思いなおす。
ふだん言葉を発する時でも、それは同じことなのではないのか？ 言葉には力がある。他人に影響を与える。こわいことなのだ。それを忘れてはいないか、と思う。人には力があるはずなのだ。自分の力を見限って、安易に言葉を並べていませんか、ねえ、詩を書く人たちも、そうさ。
・・・写真は4年程前のもので今は髪が伸びました。見かけだけは女らしいとわれながら思います。占いでは最近は5000円いただくこともありますすみません。
昨年、詩集を出す予定が、引越し事情により延びました。「愛したいよ」までおさめた、かなり懐かしいシロモノ。今は愛せているのかなぁ。まだそんなこと言ってんの？そんな甘っちょろいやつです。すき？ 2005.1.23
２月になりひとつ年をとりました。２月生まれの偏屈者たちに乾杯。（北のモジャモジャ様も２月生まれだが。やっぱ政治家には向かないんダロ、と実感）その日、とにかくなんとしても休んで（休んでもらって）、銀座のトラットリアでランチを食べて、映画を見て、バースデーケーキを買ってもらって（ローソクは省略）家でまた映画を見ながら食べた。誕生日らしい誕生日を過ごせてうれしかった。うれしい時間があると、一人でいても大丈夫だろうという気持ちになる。2004.2.17
・・・・・・・そろそろ写真を変えなさいって？
この年末は年賀状も書かず、掃除、買い出しサッサとあきらめ、正月勤務に向けて平常心。黒豆だけは毎年煮ていたけれど、それもやめそう。ぐうたらん。ぐうたらんだけど、家にずっといると苦痛だ。完璧インドア人のはずなのに、なんかすごい外に出て行きたくなってしまう。ナンデショウコノキモチ。コノ血流。（ただ、呑みに行きたいだけか？）
時間が少しできると考える。身勝手さ。自分。誰もが身勝手だなと考える。責めたり責められたり。責めるばっかりとか責められる一方じゃなければ、堪忍してもらわないといけないね。 2003.12.27
深夜のお笑い番組をコイビトにつきあって見ているうちに秋になった。気になる人は青木さやかだ。といってもテレビは余り好きじゃない。自分で考えなくなるからだ。でも、本も、たくさん読んだところで、人の思考をなぞって何かをわかった気になっているだけかも。既にわかったつもりになってしまったら、何を見ても聞いても学んでも同じことだ。
占いのベンキョｰをはじめて悩みは深くなった。
でも、その深さは、湧き起こるモヤモヤな細かい違和感を断ち切って芯の部分だけ照らしてみれば、快感である。
しょっぱなは自分や他人を知る（知ったと思う）ことで、あきらめがついたり覚悟が決まって生きるのラクになったと感じたのだが、どっこい、どっぷりつかってきてしまうと、気持ちが悪い。お客さんも業界の人も自分も含めて。人間はすごく気持ちが悪いということばかり思う。そこがとことん苦しくて、、、たまらない。
詩を読んだり書いたりするのがなによりも好きというたちでもないのに、詩の周辺に居つづけていることも、似たようなところがあるかも。ただ、どちらも、距離をおいて、わかったつもりになっていては、またそこから先へは進めないんだな、快感も達するというところまで行けない、ということも思うようになった。2003.11.14
１月の思い
くどいようですが、最近（いまだに）（ますます）ミョウなのです。（オマケ参照）
脱皮の前触れとかならいいのですが。モゴモゴしてます。（言語変換機能不全）
サムくてもしばらくがまんしてください。2003.1
12月の思い
コレカラ書くよ。なかなかひとりエッチの話になりませんねぇ。ダイジなのに 2002.12.4
はや１２月。けれど、今年は「あっという間」とは言えないです。あっという間ではなかった。そしてまだ終わってない。ずっと準備してるんだ。そんな感じ。ひどくじたばたしてみても、いつも後から思うのだけれど、自分以外のものによって動かされて行くべき方へ体を向けさせられているんだと感じられる。途上感。くるしいけど、ありがとカミサマ 抱いて 12.9
注：当然おかしな思いこみの人のあやしいサイトです
10月の思い。
またまたあやしげな占い学校へ通いはじめた。道教に端を発した運命学で、占いの技術を磨くというよりも、陰陽五行に基づく思想そのものが興味深くて、時間を忘れて没頭してしまう。
どんなことでも、生半可でなくその道に通じている人から学ぶのはたのしい。オタクが好きだ！（？） 私は、占いを信じきらない占い師です。（答えはその人の中にあると思ってる。私は少しお手伝いをするだけ） でも、宿命や人と人との違い、出会いや別れの不思議に魅せられつづけている。もっと若いころは、こういうよくわからないことにひきつけられる自分のことが本当によくわかっていなくて苦しくて救われたくて誰とも心を通わせられずに、やみくもに手足を動かして傷口を開いて生きているのを確かめていたような感じ。今は、あせらなくなった。でも、進もうと、より強く思うようになった。右を選ぶか左を選ぶか決められるようになった。いろんな人のおかげだ。
ほんとうにささやかな進展。私生活ではいろいろと一般の人たちに遅れていると思っているが、そっちも５０歳ぐらいまでに人並みになれれば上出来だと思っている。いつもと違って５分で書いたので、中身がないなぁ。ひとりエッチのこととかも書きたかったんだけどな、それはオマケにでも書こう。夜勤にいってこ～よぉっと。フーゾクのおねえちゃん、今夜も来てくれるかな。人の話はおもしろい。2002.10.23
８月の思い。
占いは
肉体労働だ。ふつうの人っていない。どっかおかしい。いちいち驚いているからくたびれる。花火はきれいだけど好きじゃないんだ。
古井由吉の「影」。ネットで読む日記と大差ない気もするし、決定的に違う気もする。ミラン・クンデラの「冗談」を読み返したい。圧倒されなければだめになる。お金がほしい、はじめて心底そう思った。思うとエネルギーが湧くもんですね。はじめて健全。圧倒的に取り組まなければだめになる。この夏読んだ何冊かの詩集も、よくも悪くもそう伝えている。2002.8.30
★占い師の前はライターさんだった。今も少しはそうである。書く職業をやめるつもりはない。どうしてか？ 新聞社で働いていたこともあるけれど、もともとマスコミ志向はなかった。今もない。ジャどうしてか？ 正体不明な自分の紹介に困って「ライターをしている」というと、「私のことを書いて」なんて言う人がいるからだ。
「俺のことを書いて」
他人のそういう気持ちを感じることは、自己紹介しなくても、普段の生活でもときどきある。
それは、
「私を伝えて」
ということ？
「私がいきているあかしをのこしたい」
ということなのだろうか、
わからない、
わからないけど、
そういう思いの出てくるところに私はひきつけられる。
私をこの世に執着せしめているのは、私を含めた、そうした、人のわからなさ、はかなさ、おかしさ、必死さ、なのだと思う。
どんな経験も無駄になるということはない。自分のやっているとりとめのないことが、やがて一本の川へ合流するまで、ゆっくりと、ゆっくりすぎるような気もしないでもないけれど…、すすみたいと思っている。なんか大げさだわね（3.5）
☆「それはあなたが選べばいい」と、その人は言った。
きわどい業界に両足を突っ込んでがんばるかどうかという話だったのだが、私は今までの暮らし方をふりかえることになった。「人の会社を自分の会社と思って儲けさせることのできない人が、自分で成功なんてできないのです」とも言った。「自信は最初からあったが、実績を積むことで確かなものになった」と、言った。「実績が大事なんです」と。実績と言われると、履歴書に書けるような実績は私はないに等しい。ひどい寄り道ばかりだ。だけど、寄り道することで、いろんな人の生き方に触れた。それは私の財産だと思っている。「そんなものは何にもならない」と、その人なら言うだろう。私は何かを知りたいのだ。「あなたはばかものです」と、その人なら言うだろう。価値観の相いれない人だけれども反発は感じない。確かに私はばかものなのだ、「どうせ のたれ死にだ」なんて。そんな後ろ向きな人間に何かを知ることなんてできないのかもしれない。感謝している、じんせいの節目節目に、考える機会を与えてくれる人と出会えている巡り合わせに。(1.29)
ライターからも足を洗えないまま、一年があっと言う間に過ぎてしまった。大切な人を失ったのか得たのかそれも整理できないぐらい気を抜く暇がなくて、このまま死ぬまでいっちゃってもイイヤ、なんて思う。安易に言葉を並べています。パックしながら書いてます。(12.5)
★「若い頃に占ってもらったら「早死にする」と言われた」という人が、ときどき来ます。「最悪の手相。悪霊を払う必要がある」とかいうのも。見ると全然そんな相じゃない。憤りを感じます。ちゃんとした鑑定士だったら、死に関することは軽々口にしないものです。けれど、そういうきわどい業界であるというのはどうにもしようのないところでもあります。かたくなな私も多少、もまれてまいりました。(10.5)
★ちいさな猫とおおきな猫によって生かされているらし、わたくし。にんげんとしてどくりつするのがゆめです。人形も好きです。太陽劇団、チケット高すぎ(9.1）
★「幸せ銀行」という「幸」を貯蓄できるものがあれば「今」を預けておきたい、と、言った人（by
I）がいた。「ちょっとへこんでいる時、「ＳＯＳ」と暗証番号を押して引き出したり、毎月の利息を楽しみにしていたり…」と。いいねぇ。
そうして、私にも、そんな貯蓄が、充分にあるということに気づく。とびきり暑い夏だ。よく働きよくへたばり後戻りしない。(7.30)
★お舟に乗っているのだなぁ、と、感じます。ときどき、確信なさげな顔を見合わせて。止まることもできない(6.5)
☆手放したくないから、ありったけのさよならをしておこう。理想は出家。裏ビデを見ているようぢぁ道は遠い（2001.4.30）
観てるとね、世の中にはいろんな人がいるなぁと改めて思うのですよ。それが面白い。今のところは経済的問題もあって仕事掛け持ちでシッチャカメッチャカですが、でも、今の自分は面白い。基本的に（自分にとって）面白いことやっていれば、多少のくるしみは乗り越えていけると思うのです。希望的観測かもしれません。
流れ流れていけたらなぁ、とも思うのですよ。占い処は各地にあるので。手相でなくてもいいんだけど今はソレが足掛かり（詩人でなくてもいいのと同じように。けれど詩はたぶんどんな時にもともにあると思えばともにあるのだと思います。いよいよおかしいです）。猫が家に来てから家を長く空けられなくなったのですが、一人で旅しているのが好きなのです。そのためにも丈夫でいなければいけないよなぁと、切実に思うようになりました。
30歳になんてなったらジンセイおしまいだとオモイッキリ刹那的に生きてたのに…。ナッテしまって幾年月…。流れ着きたいのかもしれない、ほんとうは。どこへ。ユートピア願望か。ますますわけわかんないこと書いてますが、昔からまじめだけど方向性に問題があったように思います、子供の頃は魔法使いになりたかった。小動物の脳味噌の働き具合が非常に気になります。ワニ、カエル、ノミ、ゴキブリなども面白いのですが、ここんとこ浅草寺の境内を通って仕事に行くことが増えたんで、いやでも目にする鳩の行動に興味が湧いてます。・・・女の幸せをあきらめたわけではありません。夜の友、精力（絶倫）的［勝手に映画ネチズン］。
自分のことをこんなに長々書くなんて・・・。他人に浸食されるある種ストレスを、ほかで発散しようとしているのでしょうか。明日の健康のためにホームページをこれからも活用しようと思います。ですがお客様については何も書きません、それは大前提。
★普通の履歴。執着心薄い私がいっとき執着するほど強烈な印象を受けた作家は内田百閒、ミラン・クンデラ、三島由紀夫。ですが最近は、山田太一さんの書くような小説にひかれます。(2001.3.22)
★先日、風呂場で越冬を試みていたゴキブリ（茶・Ｓ）に気づかずに湯をかけて殺してしまった、こころが痛いっ、しかしホイホイはしっかり設置している。つまり、直接手を下すか下さないかが（己の良心保護のためには）肝心であって、下さなければ人も殺せるのであろう。…というのが、これまでのイッパンジンのパターンであったと思うのですが、人間の脳味噌も変わってきたのかな、と思わせるような事件が多いね昨今は。（2001.1.31）
★やはり最後は、ありがとう、ですよね。くるしませてくれてなさけなくさせてくれてありがとうっ。
さ、顔を洗って買い物行こうっと。（2000.12.31 13じ）
★日光江戸村へ行くというと「ああ猿のいる…」と言われます。確かに猿は好きですが猿軍団は江戸村にいるのではないのです。が、どこにいるかはまだ知らザル、張りつき猿は東照宮。日光にはほかにも、西部劇の主人公になれる「ウエスタン村」、一日で世界旅行できる（誇大広告の一例）ミニチュアパーク「東武ワールドスクエア」、それに鬼怒川温泉…と、観光スポットが目白押し（詳しくはるるぶ情報版「遊園地＆テーマパーク」を買いましょう）。宇都宮出身の美容師さんからは「住むんですか。コンビニもスーパーもないところですよ」と脅かされましたが、コンビニぐらいは……ないのです、だって江戸ぢゃん、ひゅるる～、きょうも朝が来ました。（2000.12.2しちじ）
★占いのお免状代、研修代（もしかして悪徳商法か）、冠婚葬祭費用、家賃の更新が重なって喘ぎ気味、秋ですね～～。しばし書籍・ＣＤ代を控え家にある「積ん読本」で楽しむことにするす、まずは「現代イタリア幻想短編集」あたりから。（2000.9.27）
★最近の楽しみは、ペプシの500mlペットボトルに付いているペプシマンのフィギュアキャップを集めること。ささやか～。きのう買ったのに付いてたのは、ウルフマンをペプシマンが背後から犯そうとしてるやつ。そーゆーキャラだったのか～。？（疲れてると思考がエゴンシーレ←気に留めないでください）。（2000.8.31）
＊7月のひと言♪かなしくてかなしくてとてもやりきれない～を誤って削除してしまった。最近バックアップをとってないから、あやういな。身内の恥を書いたので背後霊に操作されたのかもしれない（いるんならどうにかしてこの私！）
☆最近は…
夜中、１、２時頃に、無性に、餃子やラーメンが食べたくなって困ります。
食べてますけど。（2000.6.26）
☆念願かなって、ネチズンのピット木村幸男氏と２月に会うことができました。想像通りすてき（変）な方でした。megabambiの田辺弓さんと、お知り合いの編集者の阿部はる子さん、タタラドーの多々良栄里さんという、かわゆく個性的な女たちともお知り合いになることができて、とても有意義なひとときでした。静岡、また探索に行きたいです。
…と言っていたら、５月２７日に静岡、行くことになりました。田辺弓さん（言葉）と多々良栄里さん（写真）、それから石垣淳さん（ってアノヒトよ。音楽）による「ふたりのあしあと」が開催されるのです。どんなんだか興味をそそります。いっしょに行く人、この指とまれ。
☆ぺんてか言葉の処方箋、３年目にトツニューしました。なにをやっているんだかと思いますが、HPをやっていなければ知り合えなかっただろう人や言葉に出会い悶々とし、ＨＰを始めたことによって遠ざかってしまった人や言葉を思い悶々とし、ちょっと悶々とするぐらいが私は気持ちいいのだろうなと悶々としております、まだ振りかえるには早すぎる３年目、時期が来たらパタンと鞄を閉じるよ、それから開けたりそれからまた閉じて開けて閉じて開けて閉じて開けて～、そのうち蝶番がいい感じに壊れてくるでしょうね、ＢＧＭはCoccoのSweet Berry Kissでした、夕飯は牛丼の生卵付きでした、ご忠告に従って賞味期限にはこれから気をつけます。(2000.5.3)
☆雨が降った。
殺風景な庭や玄関先に黄色、ピンク、紫と、春の花が咲きはじめた。今朝、宅配便が届いた。ダンボール１１箱。前のおつれあいさんが身辺整理をするというので、私が家を出る時に置いてきたままだった荷物を送ってきたのだ。７年ぶりに。最後の最後まで煩わせて申し訳なく思います。衣類や食器、雑貨に混じって、高校や大学時代のテキストやノート、当時の『詩学』も入っていて、ペンネームで投稿した自分の詩に遭遇して気が遠くなった、すごい求めててすごい投げやりだったんだ、いろいろ知識を得て度胸が多少ついても、中身は、あまり変わってないのかなぁ、と思って、ちょっと憂鬱。
と、こんなことを、また10年ぐらいたって書くんだろうか。
時間て、なんのためにあるの。
しかし幸いなことに、実際には、台所を占領した荷物のせいで冷蔵庫を開けられないという問題が私にはあります。これを解決しなければいけないと人間は考えます。「目先の問題に煩わされることでヒトは日々を送っていける（by higuchi某）」。じゃないって！ 牛乳飲みたい！肉喰いたい！そういうことです。(2000.3.14)
☆故白州正子さんの著作が若い女性の間で人気が高まっているのだという。ふーん。たまたま『名人は危うきに遊ぶ』という文庫を読んでいた。近所の古本屋で250円、軽く読めて無駄してないという感じがミソで、他の作品も集めてしまいそうだ。もうだいぶ以前に、鰐に恋こがれて伊豆の熱川バナナワニ園に通いだした頃まもなく、世間で、爬虫類ブームというものがおこって、マンションで鰐を飼う女の子の漫画などが出てきた。私は、個性的な人間かと思いきや、あんがい世の平均をいっているのかもしらんなあと、すこしつまらなく思う。振り返ってみれば、内田百閒にハマったのも、「サライ」などちょっと（大衆と）違うという感じがウリの雑誌が取り上げたり福武文庫がドバとシリーズを刊行した時期と前後しているし、ミラン・クンデラも、『不滅』が話題になって本屋に平積みされていた頃から読みだしたので、時流に流されただけ、さらにサルトルさんやらマルケスさんやらインテリ臭さで優越感と恥ずかしさを刺激する書物にしろ、ストーカーチックな東欧の小説にしろ、復刻したりダメモトで熱意をみせる 出版社にただのせられて読んでいるだけともいえる。まあいいけど。いいものはいいのでしょう。鰐はいい。白州正子もいい（顔が似ている）。ほんとうにいいものを知ってみたい、と、誰しも願うのでしょう。知の悦び、人間の特権。最近は沖縄に暮らすひとを書いた小説をおもしろく感じる、又吉栄喜さんとか。生存している日本の作家はほとんど読んでこなかったけれど、しぶく古井由吉さんとか、それから今年は阿部和重さんをはじめとする同時代の作家がなにを書いているのか読んでみたいなあ。まやかしのカガヤキや危険に魅せられる悦びもたっぷりこんとちまたには用意されており、ああナンデモアリ、だけど頼れるのは自分だけ、という、心細くおもしろい時代に生きていると思ってる。（2000.1.26）
☆昨年はおもしろい年ではあったけれど、詩に関してはひどかった。「詩学」に文章を載せたせいもあってか、詩誌や詩集を送っていただくことが多かったが、ほとんどお返事を出せなかった。そういう自分がいやになった。私は人の詩を読むのが好きな方だと思う。手紙を書くのも好き。だから、以前は送ってくださった方に長々した返事を出して驚かれることもあったのだけれど、昨年は、創作物の量に圧倒されて（おおげさかもしれないけれどそう感じられた）読むのもおいつかなくて動けなくなってしまった。これが、もっとたくさんの詩書が送られる著名詩人の場合だとどうだろう。むなしかった。自分で作った詩誌を送付することも滞った。詩もあまり書かなかった。詩にまつわる文章を書いたり、詩マーケットに参加したりしていたのに、落ち着いて自分のために詩を満たす時間を持たなかった。つらかった。
総体で見るからうんざりするのかもしれない。「詩とは」と語らないで今年、なんか違う方へ行けたらな、と考える。（2000.1.7）
☆看護婦をしている高校時代の同級生から珍しく葉書が届いた。二カ月間、入院していて、これから一カ月間ほど、故郷に戻って療養するという。入院していると「筋肉のキの字もなくなって、ふくらはぎなんかポニョポニョ」って書いてあった。少し重い病気なのかもしれない。入院したことは知らせないで、退院してから知らせてくるんだね、ごめんね、こんな私で、私はもういなかの住所も電話番号もわからなくなっているよ、でも葉書が届いたことで、これから何度も思い出すんだね、テレビを見ながらあのセミダブルのベッドでぼんやりしているのかな、って。私がひどい状態で病院の寮にずっとかくまってもらっていた時、あなたはその理由をひとつも聞かなかった。「いろいろあるよね」、それを身に染みて育ってきた人だったから。だから私もあなたの生い立ちをはっきりとは聞かなかった。ふたりでサラダを作ったりお風呂に入ったり角松敏生を聴いたりしてた。あなたは絶対泣かない人で私は泣いてばかりいた。そして私は快復しあなたを忘れた。あなたはそれを責めなかった。だって私たちは不幸なときしか仲良くできない。あなたもわかっているのだろう。
こんなときは、どうすればいいか？ ケロケロって言ってるしか、ないだろ。(99.11.16)
☆ときどき、意味のない言葉を発しておかしくなりたいという衝動に駆られる。周りは意味のある言葉や考え方、処し方ばかり、想像の範疇を超えない言葉の広がり方ばかりで、自分でもいつもはそれを納得しそれに沿うことで生活している。だけど、ふと、辟易し、そういうものから解かれてここではない場所へ行きたい気持ちになる。「私の書いているものは何を書いているのかわからないと友だちから言われた」と、初めて会った彼女は言った。「私にもよくわからないのです」。「自分でわかりたくて書き続けているようなところがある」と、続けた。そうして詩を書きはじめた人も多いのだろうな。
このごろなぜだか、知り合って間もない人から個人的な話を打ち明けられることが多い。占い修行の効用なのか？ 私にだから話してくれていると思うと感激するけれど、だんだん自分が通過媒体というようなものになってきたのも感じる。昨日、ある人とさよならをした。短い時間にしては、その人の過去から今までを聞くだけ聞いたような気がする。こんなに自分のことを話したのは初めてだと言っていた。私はその人を、理解したつもりになった。それで私もその人も気が済んだ部分ができてしまうのだろう。そして、さよならになる。理解は、していないのかもしれない。今を続けていけないのなら。あるいは理解するとは、日常を離れた何か別なことなのだ。話を聞くのが怖くなる。私も、いま私は何を本当は考えているのか知りたくて、こんな文章を書いているのだろう。ここではない場所とはどこだろう。それをいつから思い浮かべてきたのか。(99.10.26)
☆ねむいです。リ、リ、リ…、とうるいじゃないですリ、リ、ころころぎーすちょん、…つめたいあめのいきおいにおされてでも今夜はすこし静か、リ、リ、このシーズン、わたしの暮らすふるいアパートの魅力をもっとも堪能できる時期なのでございます、夕暮れから早朝までおもての窓からも玄関先からも絶えることなく虫の声がうるさいぐらいに聴こえるのでございます、むしのねを聴いて飯をくいむしのねを聴いてねむるのです、国道に近い空気の悪か土地なのだけれど、裏手に丘陵がありささやかな用水路のあるせいか、越してきたころは野鳥の声の多彩さにおどろきました、明け方お風呂に入っていると新聞配達のにいちゃんが階段を駆けのぼるガンガンガンの音が響いてとおざかり、またリ、リ…だけが残ります、ほんとの朝まで間があるのです、みんなねむってる、湯船の縁に顎をかけグテ、として、リ、リ…にとける、鈴虫、蟋蟀、轡虫、こんな字を書くのだね、キリギリスも螽斯、こんな字なのだね、飛蝗、あ、薔薇の葉ただ食いバッタもこんな字、すぐつぶれるむし、なかからウニュて汁がでるむし、むしたち、あんな音させて、ナニヤッテンノ、音はずしたや つもいて、なんだか懸命に、ふるえる、リリ、みじめなような満ちたりているような、頭カラッポになるよ、きょうもあめかい、…(99.9.23)
☆数日前の大雨の日、ときどき散歩する多摩川の河原が、海のように満ちているのを、電車の窓から見た。コンクリートの太い橋桁が濁流にもまれあえいでいた。生きもののような水、自然は強い、ひとはちいさい、いつかあの中で私も死ぬ、そう思った、ぞくぞくした。きっと被害が出るだろう、不謹慎だという自分の声を聞きながら、高揚する気分をとめられなかった。子どもの頃、溺れかかったことがある。日本海の岩場の海で、浜辺から数歩も歩けばガクっと足場が深くなる、水の中で上下しながら見た浜辺の景色が、妙にきれいだった、透き通った水やあぶくを通して水着の色や笑う顔やビニールバッグや浮輪やサンダルが見えた、向こうからはバシャバシャ遊んでいるみたいに見えるんだろうなと思ったらおかしかった、苦い水を飲んだ、大きく波にたぐりよせられてハッとして夢中で手足を動かした、そんなときでもおかしかった、誰にも溺れたとは言わなかった、ときどきあの時の光景を思い出す、とてもきれいだった。 99.8.19
☆私は夏、すき。低体温、低血圧なので、寒いとつらいのです、午前中はほとんど自殺志願者の心持ち、「眠いのと違うの」と聞かれますが、眠いのとは違うのです、わかるひとはわかりますよね。それが、夏はおのずと元気が出る。単純に暑いからだと思います。ふだん以上に頭ボケルのは仕方ないとして、出そうと思って出るものでもないので、元気、根拠なくバリバリバリッと出るのはうれしいです。目覚めた時の絶望的な気持ちからひととき解放されるかと思うと、うれしい。このスキにひと夏の過ちするとしよう。(99.7.21 4:12)
★最近は…、って、ここ読んでいる人、いるのかなぁ。
最近、人と話している時に、「私の言っていること、通じてますか？」とつい確認してしまう。いつからこんなばかげた質問をするようになったのだろう。「通じているか」と問う私と「通じている」と答える相手の、それぞれの「通じている」が同じ「通じている」であるかは、手術みたいにテーブルの上にそれぞれの「通じている」をノシイカみたいに広げ解体してみないことにはわからないわけで、意味のない質問なのである。
わかっていても、私は、確かめずにはおられない。どうしてだかは、なんとなくわかる。通じ合っているつもりでまるで通じていなかったことの蓄積、私にもあなたの言葉が通じない、のかもしれない、かなしいんだ。99.5.27
★最近読んでいるのはトニ・モリスンの「ビラヴド」。びらびらしたタイトルにそそられていた不思議なお友だちもいたが（それってヴァ系の連想でしょうか）、つづりは「BELOVED」で「愛されし者」ということ。黒人奴隷解放直後のお話で '93年ノーベル文学賞受賞作、だけど本屋で背表紙を眺めつつ通りすぎること数年、売れている気配はちっともなかったです。（そうじゃないんですか、本屋さん）。黒人女性作家、タイトルのわからなさ、上下２巻というのが敬遠される要因か。しょうがないからついに買い、読んでみたら、さすがです。幽霊が平気で出てくるんだけど、ラテンアメリカの幽霊とは違う感じ、ねっとりとしている。なまなましく苦悩に満ちマジ鮮烈、これまで読んだ２作よりはるかに…、そそられてます。1999.4.21