☆今月のピッカイチ☆
ｙｏｓｈｉｔａｋａ ｙａｍａｓａｋｉ
変身 by 砂布巾
あかいあめ あかいあめ あかいあめが ふっている
関節が熱を帯び 喉が腫れ からだの中に膿が溜まる 早朝の静寂 ラジオからジャズ こめかみが酸素を欲して 疼く 有酸素運動の効能はもって 1週間 身体を丸め自身を抱き締め体温を 確認する 腫れぼったい瞼はやがて訪れる朝日を 確認せずに閉じていく 時折訪れる 身体的拒絶反応 こころに刻まれた圧倒的な 精神的回帰願望 変化は時折 身をよじる苦痛を伴なう 白血球に訊く 受け容れる時の訪れを 滑稽な事に これは血の儀式なのだと 白血球がこめかみの辺りで囁く ぼくがあなたをまもっている あなたがそれをどんなにのぞもうが ぼくにはぼくのやくめがある しんぱいはいらない あなたはいつだってほしいものは そのようにしててにいれてきたんだから ぼくがあきらめるほどの つよいいしをみせてくれればいい
汗にまみれて 全てが新しく生まれ変わる朝 住み慣れた部屋でさえ 他の誰かの部屋に思えてくる そんな朝を僕は待ち望む そんなあさをぼくはまちのぞむ あかいあめ あかいあめ 赤い雨 赤い雨 ほんの少しずつだが 全身の痛みに耐えながら そうありたいように変わっていく しかたがないんだ ほんのすこしのへんかにみえても ねぶかいところから へんかははじまる あなたをかたちづくっている ちいさなりゅうしのよせあつめ あなたじしんがうしなわれないように ぼくがいつでもみまもっている むすうのほしのなかのつよいひかり それがあなただ みうしなわないように みうしなわないように ぼくがあなたをまもっている いまもそうしてくるしんでいるかぎり あなたはいつだってじゆうだ なにも しんぱいは いらない