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データを入力する、というくらい こんな私にもできそうなものなのに 色々縛りのない世の中で 日々縛られゆくばかりの自分は それすら出来ず 不参加の身 一方で 脳だけは、すこぶる全快 勝手な働きをする 何もかも たとえば 外で鳴く鳥の声、と 悲しみを 自転車をこぎながら抱えた歌、と 帰り際 校庭の木を大きく揺らしていた風、と 暮れてゆく 独り見ていた夕陽、と 悲しみを 即座にリンクしてしまい 不安定な心を 益々絡め 面倒なことにする うまく織ってゆけた所は すぐに忘れてしまうくせに そのうち 作品でさえ 年末のゴミとして捨てられるのに
絡まった糸、ばかり頭に残る この脳が 壊れることはないのだから あ、でもいつか 「コンピュータでない」私は 記憶を忘れ られるかな このおかしなリンク先も 消してしまえるかな それが唯一 人間に生まれた、救い 拙い指でも
何だか 新しいことに 挑戦、してみたい 後悔したとして 失敗したとして 大きく 多くを つまり コンピュータのように完璧を望んで 何も手に入らない身をいい加減に 認め 前へ いや今、を 進めようじゃないかと おしゃべりしたいな おしゃべりしたいな、 科学の時代の子が言わなかった言葉を 今の私たちは 、よりもっと 先の子どもたちは 発するだろう 発する 発する 声なく 発する、だろう |