penteka！

map-apb　　　　　ゆきよ 　犬が　舌ですくったのは　雲 　日曜日は快晴になった 　都電が 　コンクリートの年輪の上を走る 　カーブで軋んで　小銭をばらまくのが得意らしい 　窓に浮かぶ影は 　端と端をテープで留めてあるから　一回りするたびに　遠くなる 　子供たちは　大人になったからと　笑ってみせる 　大人たちは　老いたからだと　嘘をつく 　理由なら　朝刊で足りる 　曖昧な返答が 　今 　遠くの影に　怯えてる 　瞬くカメラは 　イビキを逃して　僕に　降りるべき駅をおしえてくれた 　俯いて肩を抱く　悪い癖なら　犬が食べるよ 　てのひらに 　空の地図を　刻め 　砂時計が 　いつか　テーブルを埋め尽くしたとしても　見失わない 　てのひらを

「apb展」に寄せて
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