best penteka2004!

   飛んでいけトミー    山音かかり



   トミー

   雨もないのに傘をさしている

   薄いフレームの眼鏡で世の中を覗く

   君なら

   風に乗って上までいける

   空気を食べるラクダに出くわしたり

   天に届きそうな豆の木にぶら下がったり

   ブラウニーをかじりながら

   大気の外側では誰も守ってくれないなんて

   嘘にきまってると

   宇宙をみつめる


   星粒がいくらでも輝くけれど

   それの意味がわからないまま生きてきた

   いくつかのなかの

   トミー

   ほんとうは傘を離さないように

   手のひらの汗を気にしているけれど

   誰もそんなこと 知りもしない

   飛んでいけトミー

   そのままで
      



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