ワープロが火を吹いた --bonsanga hewo koita?-- 樋口えみこ
たぐいまれな晴天 わたしの愛は ゴキブリくんの背中に乗って（てかてかる） 薄汚れたサッシの窓に体当たりしている しはどこにあるんだろう ３２ たくぼくくんもいってしまった みちぞうくんはとうに分去れを越え 浅間のふもとで わたしも わたしも 昼寝をしましょう さくら 辛いかしょっぱいか （ちるちる）墓のあしもとで 走っている子と子 走っているゾウとラッパスイセン シフゾウはどこにとわたしは尋ねる アメリカの鱒釣りの表紙にわたしは尋ねる どこでたちしょんすればいい
ワープロが火を吹いた ぼんさんがへをこいた ソニーロリンズ ケニーロギンス 似てるのに
リンゲル液と バルトリンセン液は ちがう リンゲル駅には まだいったことがないと しにやむひとが脳天から恋人に告げていた わたしの恋人は あのよ さのさ よいやさ
まれにみる絶倫 まみれぬる絶命 諸行無常是生滅法生滅滅巳寂滅為楽 わたしと このよとのすき間を バタフライで拡げてまわる はるのハエ 林立するシャトーエンペラーアム−ル 分去れまでのみちのり 抱えさまようブルースもっているひとはひと カバはカバ 泥浴びのできる水たまりまでは いくだろう
詩集「なにか理由がなければ立っていられないのはなぜなんだろう」より
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