｜penteka｜
光源 ゆきよ
空はブルー
ビニールシートの色に似ていた
ワイヤが 縦横に張られている 鉄道の線路のようだ でも 走るものはない
電気仕掛けで 泳ぐ 神話の鳥
時々 太陽を啄む
小さな庭で
折り重なって朽ちる花を 可哀相だという
小さなペットショップの檻で ふるえている犬を可哀相だという
小さな地下室で
ペニスを拭うのが 可哀相だという
小さな線上で
弾丸をサイコロにして楽しむのが 可哀相だという
小さな森へ 光源を探しに 二人で
小さな森へ
茨を破って 首吊りのロープを解いて
今も
覚えていると 君はいうけれど
僕は
逆光で転んでしまった
今も
モノクロームにあつめたトケイは どれも同じで どれも気が触れていて ど
れも散らばった
鏡に宿る ブルー 造花を 撃って
透けている 音
透けている 言葉
沈む光が肌を濡らすと 雑踏が透けてしまう
レプリカの街を手に入れても うごくのは半分だけで 僕は ドロップを舐め
ている
それを
可哀相だとは思わない
君の笑顔は とてもへたくそだ とても とても へたくそだ
さようなら 魔法使い
役立たずは いつも 僕のほうなのに
ジェット機の轟音の下
波打つブルー 空の破片が ちりちり くだる
切断されたワイヤは 垂れ下がり 粗末な滑り台になった
光が 転げて 落ちてくる
僕らは見上げて
空の破片が ちりちり くだり ココロをブロンズにしてしまう
だ、からお、となはみ、んな、すぐ、息、剪れ、て、し、まうの、で、す
小さな手 おおきくふって
大きな手 ちいさくふって
さようなら
太陽の下
透けている よく似た 何か
ドロップを舐めている
昼寝を 邪魔されただけなんだ