8月のピカイチ。
希望はある 真方虎之助
街灯の下 潰れた影 ちらひらら 意味の無い 蛾の戯れ 月の光に見守られているのだか はっきりしない 誰も居ないなら居ないで それでよいのに 僕が居るから考える 違うの、違うの、生き延びて 迷惑をかけている
雪のように 丁寧に 白い妊婦が地面に落ちて 融けて消え去る遊びでないから いつまでだってつまらない羽を ばたつかせてしまっているというのに
もうすぐ終わる永遠を 直して欲しいと頼まれた
「希望はある」と断った。
真夜中 太陽を浴びてひとり ひとり黙想する月の 月の影は どうなるの 宇宙の闇に紛れてしまって 大げさな孤独のようになってしまって 猫が鳴く 生まれ損ねた赤ん坊の代わり 誰の目から零れ落ちても 涙の受け皿になるような 優しい手の平なんてあるかしら