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真理子ちゃん
こんにちわ
真理子ちゃん
外の空気はどうですか？
おいしいですか？
外の光はどうですか？
まぶしいですか？
これからずいぶんと長い間
この空気と光の中で真理子ちゃんは生きていくんですよ
空気は遠く高く広がっていて
この地上のどこにでもあります
光はその空気の層のずっと高いところから
この地上に降り注いでいます
その光の元を太陽といいます
太陽は空気よりももっともっと高く遠くで光っているんです
真理子ちゃんがもう少し大きくなったら詳しく教えてあげます
真理子ちゃんがいままでいた世界から
お母さんのおなかの中から出てくる様を僕はずっと見ていました
真理子ちゃんは苦しそうに固く目を閉じ手のひらをぎゅっと握り閉めて
がんばる姿勢で少しずつ少しずつこの世界に出てきました
その姿を見ながら僕は思いました
ああもうそこには居られなくなったんだなって
真理子ちゃんは真理子ちゃんの新しい場所を探して出てきたんだなって
お母さんの子宮の収縮に追い出されるようにして
でも
実は真理子ちゃんは真理子ちゃん自身の意思でこの世界に出てきたんだね
頭の骨を重ね合わせて、細い道を通って出てきたんだね
僕もお母さんも僕のお母さんも僕のお父さんもお母さんのお母さんもお母さんのお父さんも
そのまたお父さんもお母さんもそのまたまたみんなみんなこの世界に新しい場所を探しに
自身の意思で出てきたんだね。ずっと忘れてました
真理子ちゃんのがんばる姿を見て思い出しました
ありがとうね
真理子ちゃんが真理子ちゃんの場所をこの世界で探し出せるように祈ります
もしかしたらそれはこの世界にいる限りずっと探しつづけるものかもしれない
もしかしたらそれがこの世界にあることのワケかも知れない