かたちのみえないふあんのばか by 四季
死体袋をしめようとして ぼくはファスナーに君の唇をはさんでしまった
受験戦争に負けて死んでしまった君 情けはいらないけど 倍率２，９５はきつすぎる 下らないことばかり教える教師や どうしようもないいたずらをする級友達は きっと君にとってはどうでもよかったんだろう
ぼくも君のように死んでしまいたいけど 遺書がうまく書けないから駄目なんだ
それにぼくはもう私立にうかっちゃった 君と同じ立場にぼくはもういない
曇り空が高速の防音壁と同じ色をしていることに今更気付く