川のように
−−瀬沼孝彰氏のために川のように流れていくのだろう
私たちもまた
みるがいい 上流へと
川の源をあてどなくたどっていくと
川原に転がる白い石の一つ一つが
なんとされこうべに似ていることか
たくさんの人々が死んだんだ
この川の流れのほとりで
そして
あなたもいってしまったかきかけのコトバを残して
でも
みるがいいこの川の流れのなんと豊かなことか
あなたの体がなくなっても
あなたのコトバは流れになって決して絶えない
みてごらん
今もほらコトバの川で銀の魚がキラキラとはねた
川のように流れていく
私たちもあなたも果てしなく
この流れに身を委ねれば
いつだって
あなたに会えるそして
私たちはいつもいっしょだ川のように流れていくのだろう
私たちもまた
そしていつか全てのコトバは
大きな青い海原で一つになって
世界中の乾いたこころをうるおすだろう