流星

金井雄二

肩に手をかけると

とても楽な背の高さになった

寒いか？と聞くと

寒かないと言う

上ばかり見続けているから

首がいたいだろう？と聞くと

いたかないと言う

流星は

ぜんぜん見えない

見知らぬ人たちの

くぐもった話し声だけが

彼明け前の暗さの中にちらばっている

ぼくはとても寒かったので

肩においた手て

体をひきよせると

なにすんだよと言う

そんなとき夜空に

フュイッと光が生まれた

するとあわてて

ポケットから手をだして

両手をあわせている

何を願っているのだか知らないが

それじゃ、おそいんじゃない？

と聞くと

お父さんだって

と言いかえしてくる