青色
立野雅代
赤ってどんな色
と訊ねるその子に
わたしは答える
ストーブに手をかざしたとき
あったかいでしょ
お日さまにあたってると
ポカポカするのも赤色なの
ううんそれはだいだい色
雑草を摘んで
その子の鼻づらにもっていく
緑はねこんな匂いの色よ
青ってどんな色
わたしはその子を
神社の裏のせせらぎへ連れて行く
手をひたしてごらん
つ･め･た･い
そしてね
黒はね
わたしは後ろから右手をまわし
その子の両目を押さえつける
のけぞって開いたその子の口に
魚の目玉をほうり込む
今のは青ではないの
とその子は言う
だってとても冷たかったんだもの
あなたの手