higuchi emiko kangaroo
カンガルー
カンガルーがやってきて
「死にたい」というから
「はやく死ね」と返してしまう
いつものことだけれど
かなしい
いろんなことが
思いどおりいかないことに
慣れるということはない
魂の自由は自分で守るのよ
そう言い残して死んでいった映画のなかの
誇り高き共産党員
ホコリ、とか
ココロザシ、とか、
そんなことを感じさせるひとは
私のまわりにはいない
いまにはじまったことじゃないけれど
さびしい
類は友を呼ぶんだよキキキと
カンガルーがまたやってきて
お金が入ったとウキウキしている
カッとなってバケツの水をぶちまけたら
水泳の後みたいに片足飛びして
水しぶきを払いながら去っていく彼
魂の自由は自分で守るのよ、か
弁当、買ってこいバカヤローーーー
カンガルーの背中に向かって叫んだら
片足飛びが右に、左に、大きく揺れて
ポンポンポンと両足を揃えて飛んでいった
なにやってるんだろう
あたしはとりあえず弁当を待っている
＊わけわかんない詩シリーズ。
＊カンガルーの絵、募集中。