penteka！
時間があなたに やわらかいように
徳弘康代
忙しさをよろこんでいたのも
ちょっとの間で
逃げ出せない仕事に
自分を全部とられて
あなたがどんどん
苛々していくとき
空のみなとと空のみなと
陸のホテルと階上のオフィスの間を
持ち運べる荷物だけを持って
あなたがだんだん
身軽になりながら
ほとほと自分を
落としていくとき
落とせないものは
奥の奥にしまい込んで
あまり大切にしまい込んだから
もうどこへしまったのか
忘れてしまって
電脳の前で
イライラしているあなたを見て
もう誰も近づこうと
しなくなっても
仕事のmailと仕事のmailの間に
あなたがこれを
見つけた 今
少しの間
時間があなたに
やわらかいように
しまい込んで
忘れたものは それでも
どこかそのあたり
近くに漂っている
見まわしてみて
空気も少し
やわらかい
それではまたね
とりあえず
今日はこれで