*投稿作品  
木蓮
         …by夜行星



春を待つ
それぞれの
空に向かって
突き出されたうでの先
凍えさせないように
萌える想い
固くにぎりしめた
白いこぶし
コートの裏地を剥ぐように
ひとかぜごとに一つ
指がほどけ
ひとあめごとに一つ
笑顔がほころび
いつのまにか
受け止めきれないほどの
陽の泉を湛えて
季節の無い街に
少しずつ
こぼしてくれる
春のしずく








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