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| 知らない足音がわたしたちを追い越し |
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| 立ち止まっていることに気づく |
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| 群れるものたちのすべてが |
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| 居場所を持っているように見えて |
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| 小さな声でいることに |
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| 少しだけ疲れて |
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| 彩られた樹木たちは喧騒を映すけれど |
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| あの中にわたしたちはいない |
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| うつむいて、手をつなぐと |
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| どこかで汽笛が鳴って |
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| 夜の闇に |
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| 薄く迷う |
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| あなたの周りで死にゆくものが |
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| あなたに何も告げないのは |
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| あなたのために |
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| 死ぬのではないから |
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| つながれた手と、手の、隙間から |
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| 飛び立つものを拒絶する夜 |
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| わたしたちは静かに崩れ |
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| 揺れ動くことさえふいに |
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| 見捨てられたように |
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| 震えているのは |
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| わたしではなくあなただ |
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| わたしではなく |
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| あなたが震えているのだ |
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| 細やかなダイオードの束が |
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| 区切られた領域で明滅し |
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| 結びついた手と、手に、 |
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| 一本の線を引く |
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| すべてのわたしたちは意味をなくし |
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| わたしとわたしではないあなた |
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| そのような |
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| 嘘が |
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| 互いの咽元で豊潤に震え |
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| 闇に溶け込んだ |
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| わたしとあなたの数だけ |
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| 汽笛となって増殖する |
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| あの汽車は |
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| 夜になると動き出し |
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| 死にゆくものの前で |
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| 汽笛を鳴らす |
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| 葬送のための手と、手を、 |
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| ぎこちなくつなぎながら |
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| わたしもあなたも |
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| 生きていないことに |
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| まだ |
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| 気づいていない |
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| ふりをしている |
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