流れ星の晩餐会　　　　　　　　西岡健太郎 　食卓

にならべられた清閑な

皿の上に

のせられた流れ星

部屋

で一人

流れ星を前に

彼女が戻るのを待っている

我慢できなくて

ひとさし指で

星をつまみ食いしたら

いっせいに

はじけてしまった

食卓

の上の

星のカーニバル

あわててもとに戻そうと

して

輝く食卓の周りを走りまわっていたら

椅子につまづく

つまづいて

ッダーン

床に倒れると

カーニバルは

とまって

彼女がドアを開く

夜から戻ってきた

彼女の瞳のせいで

ひとさし指に残った

アリバイが

ぢんぢんと燃えはじめる

「はやく、はじめようよ。

と

ごまかすように

椅子にこしかけると

10本の指で

鍵盤を弾（はじ）くように

華々しく　はじまる

流れ星の

晩餐会

風が

やさしい