投稿作品

ぶさいくちゃんは駑馬の耳
三浦ゆみこりーた




お口で待つ言うてる
このわたし　わたしが言うてるんやていうこと
心して聞いてやこれから

そうでしょ傷痕隠すためだけで　症状悪化して
精神離れて暮らすことが　盲信言い張るんやったら
鼻腔の深い闇の底ぐらいは　支障が出んよう鼻かんで
粘膜わたしの塊すべてが　性格美しくしてる

そうわたしパワー誰にもあげへんから
わたしワールドでつかまえて
そうわたしの肢体に値がつかへんから
わたしディナーを頬張って

赤暗い厚いカーテン越しなら　二度三度の快楽得られ
わたし事情さえ知らない男が　届かぬ光に手を伸ばす
見えない聞けない特急如きに　熱い思いを馳せている
殴ってやれるんやったら　もっとわたしの動脈怒張する

そうそうわたしパワー誰にもあげへんから
わたしワールドでつかまえて
そうわたしの肢体に値がつかへん時
わたしディナーを詰め込んで

犬バッグの中　横断歩道渡り　町の入口　犬猫病院
わたしは何故だか殴られ蹴られ　抜け殻だけのすべり台
お尻がつっかえ滑れない　現実主義になろう決意
円周率をわかる範囲内繰り返しつぶやく　明日は土曜

鳴らない電話が象徴している　価値はパンツを脱いだ数か
サラミソーセージの皮むく具合か　些細な音に涙する薬か
わたしＡがわたしＢに馬乗りになって　ＡとＢをまとめて
まとめて　抱きしめて

そうそうわたしパワー誰にもあげへんから
わたしワールドを封鎖して
そうわたしの肢体に値がつかへん時
わたしディナーを喜んで

・・・・・「鉄砲も、的も見えず、　弾丸だけが飛んでいるような。」「書きたい必然性、原動力を感じる」という感想あり。テンポがよくて歌えてきます。部分部分でひかれる言葉、フレーズがあり才気を感じましたが、もっと徹底的にやってもらうか或いはもう少ししぼってもらうと（どうしぼるかもシカとはわかりませんが）何度か読み返したいものになるのではないかと、欲は深まるばかりです。（ぺ）

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