投稿作品

頽廃の輪廻
ｋａｏｓ

《午前2時12分》

 　檸檬色した折鶴を手に取ると

 　酷く咽喉が渇くのだ

 　亜麻ったるい『さいだぁ』の栓は

 　1,074ヘクトパスカルの膨張率の下・・…

 　静かに路上を覗う

　 『さいだぁ』越しに見遣る東京都庁、

 　枯れちまったチンポの群れ？

 

硬直したカヲスは、最早、経験論では解き明かせまい

 

《午前3時23分》

 『さいだぁ』の栓を抜いた

 　〜ドップラーガ屈折率及ビ魔羅ガ残像ニ折鶴ガ涙ノ降リ懸ル〜

　　 1,074ヘクトパスカルと982ヘクトパスカルの混合圧

 　　　分圧が混合圧

 　　　　分圧に混合圧

　　　　　　分圧びゆ〜ん混合圧 

 　『栓』…その存在の非常なる軽さに、己を顧た！

 

《午前4時55分》

 右肢、左肢

 夫々には羽根があり、

 どっちが先に羽ばたくかで、随分な口論だ

 決着を着けるのは

 私の意志か？

 何れかの肢の意思か？

 

 私が肢を進め、肢が羽ばたきをし、羽根は何をするのだろう？

 私には意志があり、肢にも意志があり、羽根には意志は・・・ないのか？

 

反射と意思の彼岸

 


 　　　　　　　　　　　　もう、十分だと思った

　　　　　　　　 ヘーゲルは、嘘吐きだと思った

 

　 裸になった。

環七に這い蹲った。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 轍に・・・口付けをした

 

《午前5時49分》

 檸檬色の鶴を東雲の紅に翳す

 色彩の彼岸に鶴は篩え、牛乳屋さんの僧房筋に吐き気を催す

 恐らく、こうして「ら・まるせいえーず」は生まれたのだろう

 12月8日−私のコンプレアンノ

 「私」が「今日」生まれたのではない

 「今日」「私」が生まれたのだ

 

主体は私ではない。歴史なのだ。

 私は歴史の中に埋もれてゆくのだ。



 鶴や、オマエや、栓や、オマエや、羽ばたきや、オマエや、チンポや、オマエや、環七や、オマエや、さいだぁや、オマエや、僧房筋や、オマエや、混合圧や、オマエや、射精や、オマエや、排泄や、オマエや、オマエや、ディストー 
ションや、オマエや、ハンセンや、オマエや、金日成や、オマエや、クンデラや、オマエや、フランシス・ビーン・コバーンや、オマエや、オマエや、オマエや、オマエや、オマエや、オマエや、オマエや、オマエたちも、一切合切が埋もれちまうのさ。

 

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…;頽廃の輪廻

・・・・・タイトルはどうでしょうと思うのですが、こういうのこそが作者の好みなのでしょうね。「檸檬色の折鶴」に連れられて読んでいくと後半ノッてくる。書いていくことで書き手にも予測できなかった方向へ意識が流れていくその様をたどっていくことに面白みを感じました。「自身に即し、言葉だけが浮いてるという感じに陥っていないのがいい。この言葉の感覚、面白さ、美しさをそのままもっと他者や空間に」という感想も。最後のまとめのひと言はどうでしょう（しつこいですね）。関係ないけどこの人は「牛乳屋さん」が好きですね。それぞれの人にそれぞれ使いたくなってしまう言葉や色などがあることに、人の作品を読んでいると関心を持ちます（ぺ）

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